12月5日、午前9時半からマルシェが始まりました。コロナ禍の影響を受けて延期が続いたため、一年ぶりとなる開催です。カキを売る店舗には、子どもたちで選んだアルミの箱と、子どもたちの絵が描かれたパッケージステッカーが用意されています。
カキの販売は、10時半から。最終的に決まった価格は、0.5kg1000円、1kg2000円です。多くの方に詫間カキを味わっていただきたいという想いから1人あたりの購入量の上限は1kgと設定しました。
全員の自己紹介を行った後で、「営業」「計量」「会計」「行列整理」と、役割分担を記した業務マニュアルが配られました。
「営業」は、マルシェに訪れた人にカキのクイズを行い、お店へ案内する人。
「計量」は、お客さんの注文に合わせてカキの数量を量り、箱に詰める人。
「会計」は、お金を受け取って記録を付ける人。
「行列整理」は、お客さんに並んでもらうよう案内する人です。
「営業やりたい人!」「はいっ!」「計量やりたい人!」「はい!」
手挙げ方式で、どんどん役割が決まります。それぞれ持ち場についてレクチャーを受けている間にも、お店の前にはずらりと行列が。開店10分前でしたが、11時にいったん集まって作戦会議を行うことにして、さっそく販売開始です。
お店を始めてみると、決められた役割以外にも仕事はたくさん。計量係は、グローブをつけてカキを袋に入れる人、カキの袋を箱に入れて量る人、最後にカキの食べ方を記したリーフレットと、カキを食べるためのメスを入れてふたを閉める人に分かれていきました。一方バックヤードでは、大急ぎで箱にステッカーを貼る作業が進みます。
「カキクイズやりませんかー!」
「あっちでカキ売ってるので、よろしくお願いします!」
営業係を勢いよく名乗り出た男の子たちは、お店から離れた場所で大奮闘。真面目にカキクイズを出題していたかと思えば、
「喉が死ぬー!」
「あんた、仕事中になんてこと言うのっ!」
相性ぴったりな二人に、通りすがりの人から笑いがこぼれていました。
曇りがちだった空も、いつしか快晴に。カキは飛ぶように売れていきます。かわいらしい子どもたちの接客もさることながら、箱に貼られたパッケージステッカーも大好評。「車に貼れるし、冷蔵庫にも貼れるわ」とお客さんから喜ばれていました。
営業を率先してやり始めた男の子は、もう一人。
「詫間カキー!! 詫間カキー!!」
「こらっ、お友達にクイズ渡してっ!」
白い紙で作ったメガホンと、カキのクイズが書かれたファイルを手に、元気な男の子がぐるぐる会場を回ります。その背中を、心配そうなお父さんが追いかけていました。
「声を出すのが楽しいみたいで。心配でずっと見ています」
笑顔に苦労をにじませていたお父さん。最後は営業係へ仲間入りしたのか、お子さんと一緒に並んでお客さんを案内していました。
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